あぁ〜我ら日本の指南役!士魂で生きる!天眼王



伊藤忠商事株式会社 

理事 

木暮浩明氏

2010/12/8 10:00


木暮浩明

 

 

◆業種

 

会社役員 

 

武道家

 

 

 

◆子供のころになりたかったものは? 

 

1、海軍大将

 

父が海軍大佐、祖父は海軍中将(母方)又、親族に山本五十六元帥を始め、海軍将官が多かったため憧れた。

 

2、電車の運転手

 

 

 

◆毎日欠かさずしていることはありますか?

 

7:00に起床

合気道基本

(1時間ぐらいトレーニングしている。)

犬の散歩を約1時間

(愛犬はミニュチュアシュナイザー)

10分間のお祈り(瞑想)

10:30

時代劇観賞

(暴れん坊将軍等を見て一人で涙を流す)

朝食

(妻の手作り野菜スープ、長嶋茂雄氏伝来のMIXドリンク(黒ゴマ、きな粉、シナモン、ココアとミルク)、ヨーグルト、バナナ、らっきょ3ヶ、梅干し半分、のり10枚、たまにパン)

 

夜はお付き合いが多く、外食になりがちなので、健康のために上記を実施しているが、お腹は中々引っ込まない。

 

しかし、毎日のトレーニングと、健康食のお陰で体脂肪は13~14をキープしている。

 

 

 

◆自分の支えになった、或いは変えた人物・本は?

 

心の師が二人いる。

 

1、中学(栄光学園)の校長先生で、上智大学 文学部歴史科科長のドイツ人神父グスタフ・フォス師。

 

スパルタ教育で、遅刻をすれば校庭10周、ポケットに手を入れて歩けばポケットを縫いつけられた。

 

そのお陰で、正しい習慣、姿勢や礼儀作法が身に付いた。

 

2、富木謙治 師範

 

早稲田大学時代の合気道の先生で、柔道八段、合気道八段。

 

武士道の精神を教えられた。

 

先生のマッサージをしていると、先生は40分ぐらいで寝てしまうのだがマッサージは続けなければならない。

 

「マッサージは辛い!」と思いながらマッサージをしていたある時、「これは指の運動になる」と気づいた。

 

ものには表裏があり、一体であることに気付き、嫌な事でも心の持ちようで考え方を変えることが出来た。

 

電車で立っている1時間も、講演をしていると思えば苦しくない。

 

また、目標に到達するための道のりとして「他律」と「自律」がある。

 

100回の腕立て伏せをしていると、大概は60回程でへこたれる。

 

へこたれれば、先輩に竹刀で打たれて後の40回を続けることになる。

 

しかし、残りの40回も、自分の心に自分でムチを打つことによって自律となる。

 

同じ100回の腕立て伏せを完了したとしても、量は一緒でも質が違う。

 

自分の心に鞭を打ち、目標に向かうことを「克己(コッキ)の精神」という。

 

昔の階級は「士農工商、河原乞食(カワラコジキ)」といったが、今は逆になってしまった。

 

戦後から、士魂が無くなってしまったように思う。

 

日本人としての誇りを持って、武士道精神を鍛えていきたい。

 

 

 

◆自分の人生を変えたきっかけになった言葉は?

 

1、天人一如

 

天も人も一つであるということ。

 

 

2、無心無構

 

富木謙治師範が唱えた現代武道における最高の理想、境地。

 

宗教で言えば色即是空、空(無)の境地である。

 

合気道で構えた時、相手がどう打って来るか、例えば相手の拳だけに神経を集中させていると護りが鈍る。

 

しかし、無心無構で臨むことによって、何事にも捉われずに全体を目と心で観ることができるため、相手の攻撃を事前に阻止し、瞬時に自らも攻撃することができるのだ。

 

 

3、複眼

 

相手の立場にたっても考える。

 

相手の立場にたって考えれば、争いごとも起き難い。

 

 

4、天眼(テンゲン)

 

天の心で考える。

 

争いごとが起きてしまっても、天の立場になって観れば解決できる。

 

しかし、これには一つ例外がある。

 

夫婦の場合だ。

 

 

5、生老病死(仏教の言葉)

 

 

 

◆人生の転機はいつどんなことでしたか?

 

大学入学時、就職して社会人になった時、と色々あるが、中でも外国に転勤になったことである。

 

外から日本を観る事が出来た海外生活の20年間は、私の人生に大きな影響を与えた。

 

今の日本は、司馬遼太郎氏による「坂の上の雲」に例えるなら、「坂の下の雲」に向かっているというところだろう。

 

「坂の上の雲」という題名は、文明を開花したばかりの明治時代の日本が、登り詰めてさえ行けば、やがては手が届くと思い焦がれた欧米的近代国家というものを「坂の上にたなびく一筋の雲」に例えたと言われる作品で、日本特有の精神と文化が、19世紀末の西洋文化に対しどのような反応を示したか、を正面から問うた長篇歴史小説である。

 

日本は、戦争に負けてプライドもなにも全てズタズタになった。

 

しかし、アメリカには、まともに戦って負けたのだ。

 

武士道の世界と同じで、負けても勝っても勝負が終われば礼をして決着をつける。

 

中国や北朝鮮に対して、複雑な想いが残ってしまっているのは、最終的な決着がついていないためだろう。

 

先般、駐中華人民共和国 特命全権大使 丹羽宇一郎大使より、相撲とマンガを中国にもってきて欲しいと頼まれた。

 

日本の相撲やマンガが、文化外交に有効だというのだ。

 

更に、外交にはバランスが大事、国の力関係が不均衡ならば経済も立ち行かなくなる。

 

そのためには、政府が積極的に動く必要がある。

 

また、世界と仲良くするためには、日米同盟を強くすることだ。

 

今のままなら、日本がやられたら日米同盟でアメリカは動くかもしれないが、日本がやられそうになってもアメリカは助けてくれないだろう。

 

日本人が血を流してからアメリカ兵も血を流すとアメリカ国民は考える。

 

これからは、アジア外交を栄えさせる必要があるが、その為にはアメリカがやられたら日本が助けられるような集団的自衛権をもつようにする事が大切。

 

 

 

◆問題、障害或いは試練は?どうやって乗り越えたのですか?

 

栄光学園、中等部の時。

 

100m走の選手で運動は得意だったが、思うような成績がとれなかった。

 

当時の栄光学園は、A90点、B83点、C75点以上と決まっていたのだが、どうしても75点に満たない時があった。

 

今思えばたいしたことはないのに、海を見つめて悩み、自殺しようと思ったことがある。

 

その時々に出会う、障害は全て「克己の精神」で乗り切ってきた。

 

戦争を体験したことも、強みになっているのかも知れない。

 

「朝、起きられない」等と言っていられない時代だった。

 

空襲警報が出ているのに「起きられない」等と言っていては、爆弾を落とされて死んでしまうからだ。

 

また、大学時代、早稲田の柔道部に入って合氣道と共に武士道の精神を鍛えられたことも強みだ。

 

今でも鍛え続けている。

 

スポーツは大きく分けて、主に「触覚」中心のものと「視覚」中心のものの2種類に分けられる。

 

触覚は、柔道、レスリング、相撲などだ。

 

こちらは、40歳位で体力的に難しくなる。

 

しかし、視覚は空手、剣道、合氣道などで年老いてもできる。

 

特に剣道は、子供の教育に一番良い。

 

礼に始まり礼に終わる。

 

真冬でも裸足で行うので、寒さに耐え精神を鍛えるのにとても良い。

 

今は、戦時と違い、強制的に肉体や精神を鍛えられる時代ではないから、自分から習慣とすることが大切だ。

 

私の子供も高校時代に剣道を習っていた。

 

その子供達に「尊敬する人は父です。」と外では言われていると聞くと、嬉しいもので励みになる。

 

また、今でも合気道をやっているが、日本合氣道協会理事長や、稲門合氣道会会長を経て、現在は協会顧問(八段)、新合氣道連合総裁、日本相撲協会委員等をしている。

 

又、ヒューストン市名誉市民、テキサス州ハリス郡名誉保安官等も合氣道無料指導のお陰だ。

 

剣道や合氣道は、年を重ねても長く続けられる武道であり、スポーツなのだ。

 

 

 

◆夢は?

 

日本が武士道魂をもって、“世界の中の日本”として世界と仲良くし平和な地球を創って行きたい。

 

武士道の勇気と覚悟をもって平和な国を守る気慨が必要。

 

これからの日本を守るには、以下のいずれかだろう。

 

1、核武装をするか。

 

2、中国・北朝鮮に膝を屈するか。

 

3、日米同盟を米英同盟の如く強化し米国の核の傘の下にしっかりと入り、権利のみならず義務も果たす事。

 

エゴがぶつかるのが外交だ。

 

時によりエゴをむき出しにしなければ、一国の平和は守れない。

 

特に、国防と外交と教育は「市民目線」ではできないし、国家目線でおこない最終的には天眼でする。

 

また、日本人が国際人としてこれからすることは、以下の3つ。

 

1、日本人としての誇りをもち、異文化理解に努力する。

 

2、フォークの国(箸を使わない国)のマナーとエチケットを学ぶ

 

3、コミュニケーション能力を身につける。

  (ウイットに富んだ言葉を交えてコミュニケーションをする。)

 

日本人は、謙虚だと思って発する言葉も、相手にとっては理解に苦しむ事が多い。

 

ストレートでないからだ。

 

一方、日本人に「お綺麗ですね」というと「いえいえ」と否定する。

 

人は否定されるとイヤなものだ。

 

アメリカ人であれば「Thankyou!」と肯定するが、さすがに日本では難しい。

 

そこで、「おそれいります。」を推奨する。

 

「おそれいります」は、相手の言葉を受け入れ肯定も否定もしない。

 

日本には、素晴しい言葉や、伝統と文化がある。

 

これを上手に活用し、外交を推し進め世界平和を願うものである。

 

“かくすればかくなりけりと知りつつも止むに止まれぬ大和魂”  吉田松陰

 

“写るとも月も思わず、写すとも水も思わず広沢の池”       沢庵禪師 (池には月が写っている)

 

“頭を使い足を活かして肚を据え、上下を貫く誠の心”       木暮浩明


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コメント: 2
  • #1

    JJ (日曜日, 08 3月 2015 14:42)

    素晴らしいインタビューを読ませていただきました。
    多くの人の事を想って伝える価値がある事が何かを考えながらお話されている事が伝わりました。
    私も木暮様のような愛のある、そして影響力を発揮できる人間になりたいと思います。

  • #2

    GODZILLA (木曜日, 30 12月 2021 20:35)

    小暮先生の礼に始まり、礼に終わるは、
    まさに、
    合気道 檀崎館長を彷彿させます。
    ご健在でしたら、お目にもじ叶いましたら幸甚に存じます。
    益々のご活躍を祈念申し上げます。