感動を形にして提供する天真爛漫な女王



東京工芸大学 準教授

有限会社 La・Moon 取締役

夢来鳥ねむ氏

2012/2/6 1300


夢来鳥ねむ

 

◆業種

大学准教授

漫画家・イラストレーター


◆子供のころになりたかったものは?

普通の子供が憧れる職業には大抵なりたいと思っていた。

 

とくに芸能界。

 

声優になりたいと思っていた事もあった。

漫画は大好きで、小学校4年生の頃から4コマ漫画を描いていた。

 

漫画の世界では自分がどんな人にもなれるし、どんな事でも出来る。

 

その時期に憧れていた職業を投影したマンガを描いていたように思う。

結局、小・中・高とマンガを描き続け、最終的には漫画家を目指すようになった。


◆毎日欠かさずしていることはありますか?

健康に気づかう事

その季節や体調によって、りんご、ヨーグルト、酢など品物は変わるが、毎朝健康のために食している。

自分の身体が壊れてしまったら仕事にならない。

人に代わってもらえない仕事なので、特に健康に気をつけている。



◆自分の支えになった、或いは変えた人物・本は?

1、  有里 紅良(ありさと あから)女史

今の会社の代表者であり、仕事のパートナーであり、母親のような存在。

年上の方からも「ママ」と呼ばれている人だ。

その上、物凄く強い人。

感性や残したいものが一緒で、もう22、3年の付き合いになる。

仕事の都合も良いので、一緒に住んでしまった程だ。

有里女史のご主人も子供も一緒の同居生活は、もう10年になる。

その有里女史が、がんに侵された。

医師から先刻された余命はとっくに過ぎているのに、毎日動きまくっている。

自分よりも動けないはずなのに、常に前を走っている。

その姿勢から、一つのものを完成させるための責任や生き方を学んだ。

2、 

中学の時に父を亡くしてから、私たち兄弟3人を女手一人で育ててくれた。

「母子家庭だからと惨めな思いをさせたくない。」その一心で一生懸命に世話をしてくれた。

その母の思いが自然と伝わって来た。

未だに身体を気遣って、りんご等を送って来てくれるし、お小遣いを挙げても戻ってきてしまう。

強くてやさしい母。

本当に感謝している。


◆自分の人生を変えたきっかけになった言葉は?

「天真爛漫」

中学三年生の受験期に父を亡くした。

落ち込みかけた自分の気持ちを高めるためにも、卒業の寄せ書きに「天真爛漫」と書いた。

受験で緊迫している時期だ。

クラスの仲間は「数学をがんばる!」等といった目標等が多い中、担任の先生がこの「天真爛漫」を見て「凄い!」と褒めてくれた。

褒められた喜びと同時に、認めてもらえた気持ちになり自信がついた。

怒ったり、イライラしたりすることは時間を無駄にしている気がする。

少しでもそのような時間は減らしたい。

イライラに囚われそうになった時は、この「天真爛漫」の言葉を思い、少し客観的に自分を観るようにしている。

そうすることによって冷静になれる。

イライラに捕まっている時は何をやっても上手く行かない。損をしているようなもの。

ポジティブな人生の方が断然お得なのだ。


◆人生の転機はいつどんなことでしたか?

19歳で一人東京に出てきたとき。

高校を卒業後、漫画の専門学校に入学。

その専門学校時代、出版社に持ち込んだ原稿が佳作に入賞した。

早速東京に上京し、出版社から紹介された先生についてアシスタントの仕事をしたが、直ぐに連載が決まり独立。

一方、「ゲゲゲの鬼太郎」好きの私は、鬼太郎好きの集まるコミュニティーに所属していた。

その団体が、水木しげる氏に許可を取り、自主制作の鬼太郎アニメを作る事になった。

声優を募集していたので、猫娘役に応募したところ合格。

その主催者が有里女史だった。

東京の母であり、仕事の最良のパートナーである有里女史に出会えた。

このことは、今も私の人生に多大な影響を与えている。


◆問題、障害或いは試練は?どうやって乗り越えたのですか?

漫画が描けなくなった時

テレビアニメ化された作品「HAUNTEDじゃんくしょん」の後、「また売れるものを描いて下さい!」等と言われるようになり、周囲からの期待が強くプレッシャーに押しつぶされそうになった。

「面白いもの、売れるものじゃなきゃ駄目!こんなんじゃ駄目!」と自分で自分に駄目だしをし、どんどん追い込まれていった。

そんな時、有里女氏が叱ってくれた。

 

「面白くないものを描きな!」そう言ってくれたのも有里女氏だ。

物凄くホッとした事を覚えている。

心から楽になった。

そして「最近、感動してないんじゃない?」と言われた。

そうだ、以前は夕日を見ては感動し、ドラマ・音楽・映画を観ては感動していた。

心が動くことを全くしていなかった。

凄く怖い、素敵・カッコイイ!とても可愛い等と思うことも無くなっていたのだ。

自分の仕事は、感動を形にして提供することだ。

その私が感動を忘れていては作品を創れない。

そのことに気づかされた。

それからは、琴線に触れるような、ドラマ・音楽・映画を観て聞いて感覚を取り戻していった。

この経験は、大学の学生たちにも伝えている。

ただし自分で気づいて目覚めなければ、わからないだろう。

結局、乗り越えるのは本人だから。


◆夢は?

自分の創ったもので誰かに喜んでもらいたい!

手芸でも料理でも、舞台でもキャラクターでも良い。

一生やり続けたい!

何かを創ることが好きだから。

 

ら・むうん畑(有里紅良・夢来鳥ねむファンサイト)
http://lamoonbatake.net/

 

舞台『オクトの樹』『なぞらえ屋』公式サイト
http://stage.la-moon.net/index.html